2019年03月13日:平成31年農林水産委員会 本文

◯齊藤委員長

 ただいま説明のありました議案に対して質疑を行います。

 質疑は議題外にわたらないように願います。

 なお、答弁者は挙手の上、「委員長」と呼び、次に職名を言って発言を求めてください。

 質疑はありませんか。──高橋委員。

 

 

◯高橋委員

 それでは、私から、議案第45号「青森県県営土地改良事業分担金等徴収条例の一部を改正する条例案」についてお伺いいたします。

 ただいまの部長からの議案説明によりますと、今回の条例改正は、県営土地改良事業の特別徴収について定めるためのようであります。

 まず、1点目として、改正の経緯、それから改正内容についてお伺いをいたします。

 

◯野中農村整備課長

 国は、担い手への農地の利用集積・集約化を加速させるため、農地中間管理機構が借り入れしている農用地について、農業者からの申請によらず、また、費用負担を求めずに、県が基盤整備事業を実施できるよう土地改良法を一部改正し、平成29年9月に施行したところです。

 今般の条例改正案は、本県においても、この制度を活用して平成31年度から国の「農地中間管理機構関連農地整備事業」を実施するに当たり、所要の整備を行うものです。

 その内容は、事業を実施する農用地において、農地転用等が行われ、事業目的が達成できなくなった場合に、国庫及び県費負担相当額の返還を求めるもので、特別徴収金に係る規定に機構関連事業を追加し、徴収の対象者、農地中間管理権の解除などの対象となる行為や期間、徴収額の算定方法等について、新たに規定したものです。

 

 

◯高橋委員

 土地改良法の一部改正に伴って、県として平成31年度からこの制度を活用されて、農地中間管理機構関連農地整備事業に取り組まれるということであります。

 それでは、2点目として、平成31年度から事業を実施する地区の概要についてお伺いいたします。

 

 

◯野中農村整備課長

 平成31年度から実施する機構関連事業については、五戸町の下平谷地地区において、水田約8ヘクタールの区画を整備する予定で、平成34年度の完了を目指しています。

 当地区では、区画の整備と排水の改良により畑地化を進めることとしており、個別経営の32戸が所有する農地を、事業実施後は3戸の担い手により、ニンニクやネギなどの高収益作物の作付けに取り組む計画です。

 県内では初めての機構関連事業の実施となることから、本地区が本県におけるモデル的な役割を果たし、今後の県内における当事業の推進に大きな弾みをつけるものと期待しているところです。

 

 

◯高橋委員

 ただいま御答弁のとおり、五戸町の下平谷地地区において県内初のこの事業の実施ということのようであります。当地区がモデルとなって、今後県内でもこの機構関連事業に取り組む地区がふえて、担い手への農地利用の集積・集約化が進展することを期待して、質問を終わります。


◯齊藤委員長

 ほかに質疑はありませんか。──高橋委員。

 

 

◯高橋委員

 それでは、私からはタマネギ栽培の振興についてお伺いをいたします。

 昨年の3月でありましたが、平成29年度青森県高収益作物タマネギ栽培振興の取組という報告書を目にいたしました。表紙には青森市の奥内地区でのタマネギの収穫作業であったり、あるいは裏表紙には東北町、つがる市でのタマネギ圃場あるいは収穫の様子等が写真として使われております。

 表紙だけではなくて、中身もちゃんと読みましたけれども、報告書の中身を見ますと、県は、タマネギ栽培の振興を図るために生産者、農協、土地改良区、市町村とともに兵庫県の南あわじ市と富山県の砺波市における視察研修を行い、その後県内3カ所で研修会を開催したとの記載がございます。

 また、昨年の6月でございましたが、自民党本部で開催されました「中山間地域農業を元気にする委員会」において、青森市奥内地区の生産者から県のタマネギ栽培振興の取組が紹介されたことを、テレビあるいは新聞の報道で知りまして、改めて関心を持ったところであります。

 加えまして、今定例会追加質疑における山口議員の質問において、農村整備費に、県が青森市内で行うタマネギ栽培の比較検証などの事業費が盛り込まれているとの答弁があったところであります。

 そこで、まず1点目としてお伺いいたします。

 この農村整備費でタマネギ栽培の振興に取り組むこととなった経緯についてお伺いいたします。

 

◯野中農村整備課長

 県では、労働力不足に対応した生産体制の強化を図るため、水田の大区画化や排水改良など、土地改良施設の整備を計画的に進めることで、農作業の省力化と生産コストの低減、さらには高収益作物への転換に取り組んでいるところです。

 一方、人口減少や食生活の変化により米の需要が減少傾向にあり、今後、水稲にかわる新たな作物がなければ水田が遊休化し、農業用用排水路などの土地改良施設の維持が困難になってくることが予想されています。

 このため、水田を活用してタマネギの産地化に成功した富山県砺波市などの事例を参考に、平成28年度から、生産者や農協、土地改良区などの職員とともに、タマネギの生産振興に取り組んでいるものです。

 

 

◯高橋委員

 先日でありますが、この青森市の奥内地区の生産者の方が五、六名ほど、私の事務所に訪ねられてきまして、その際には、県が企画したこのタマネギ栽培の先進地視察等に参加され、さまざまな面で大変勉強になったとの声もございました。生産者の皆さんにも喜ばれていると申しますか、非常に意義のある取組だと、そのように感じ取ったものであります。

 この取組を企画する際、高収益作物としてどのような作物に着目するのか、さまざま検討されたことと思います。

 そこで、2点目として、水稲にかわる作物がなぜこのタマネギなのか、この点についてお伺いいたします。

 

 

◯野中農村整備課長

 タマネギ栽培は、多くの作業を機械で行うことが可能であり、土地改良施設の整備による効果が十分に発揮できるとともに、年間を通じて全国的に需要が高いことのほか、主産地の北海道や西日本の端境期に出荷できることなどの利点がある作物であると考えております。

 また、これまで取り組んできた先進地視察からも、北海道や長崎の大規模経営体では、水稲とほぼ同じ労力で水稲以上の収益を上げていることが確認できたところです。

 さらに、現在、研究が進められている直播栽培が実用化されれば、より一層省力化が可能となることから、ニンニク、ネギなどに続く有望作物としてタマネギを位置づけ、農家所得の向上を目指しているものです。

 

 

◯高橋委員

 先日の青森市奥内地区の生産者の方からは、平成29年度は予想外の豊作だったが、翌年度、平成30年度は、雑草対策に失敗して、残念ながらほとんど収穫がなかったともお聞きしております。

 農家の方々が試行錯誤しながら、それぞれの地域で一生懸命意欲的に取り組まれている中において、農家の収益向上につながる取組を、市町村や農協などと協力して、ぜひ今後も継続していただきたいと思います。

 加えまして、先ほど多くの機械作業が可能であるということが、タマネギが水稲にかわる作物である理由といった答弁も頂戴いたしましたが、この機械導入に当たっての補助について、生産者の方々からお聞きする限りにおいては、国の配分額、補助額が足りず、補助を受けられていないとの御指摘も直接承ったところであります。

 したがって、この点への対応についても、何とぞ御尽力を賜りますよう御要望申し上げまして、質問を閉じさせていただきます。

 ありがとうございました。