2015年03月04日:平成27年第281回定例会(第5号)   本文

◯副議長(越前陽悦) 十六番高橋修一議員の登壇を許可いたします。──高橋議員。

 

◯十六番(高橋修一) 自由民主党の高橋修一です。

 愛する自由民主党の一員として、質問の機会をいただきましたことに、心から感謝したいと思います。

 通告の順に質問を行います。

 初めに、青森県道路公社の経営状況についてでございます。

 青森県道路公社は、地方道路公社法に基づき、県の全額出資により設立される団体でありますが、管理運営する有料道路は、三路線とも利用実績が供用開始当時の計画を下回り、債務の返済が計画どおりに進んでいない状況にあるものと認識しております。また、五カ年ごとの中期経営プランを策定し、収支改善策に取り組んだ結果、平成十七年度から平成二十一年度では、債務削減額は目標額の約五十四億円に対して約五十一億円、達成率約九五%となり、一定の効果を見せたものの、有料道路を取り巻く状況は、依然厳しい状況が続くことが予想されたことから、その後、青森県有料道路経営改革推進会議の提言を受け、さらなる経費節減や収益確保を図るべく、平成二十二年度から平成二十六年度までの五カ年間で約三十八億円の長期債務を削減することを目標とする中期経営プランを新たに策定しております。

 みちのく有料道路、第二みちのく有料道路、青森空港有料道路は、それぞれ青森県の拠点地域を結ぶ幹線道路としての役割を有しており、交通の安全や移動時間の短縮効果等により、青森市、弘前市、八戸市といった地域の核となる都市が分散する青森県にとって、交流や連携促進の効果も含め、県経済や地域の振興、県民生活の向上などに果たす役割は大きく、公社の長期債務の迅速な解消や中期経営プランの目標達成による公社経営健全化が求められております。

 そこで、一点目として、長期債務の解消状況及び中期経営プランの進捗状況についてお伺いいたします。

 二点目として、路線ごとの債務の償還の見込みについてお伺いするものであります。

 また、青森空港有料道路につきましては、昭和六十二年に供用開始され、通行料金徴収期間は平成二十九年七月までの三十年間と設定されておりますが、青森市からの要望がされるなど、早期の無料開放が求められております。県公社のこれまでの不断の努力によりまして着実に債務の償還が進められているものと推測をいたしますが、平成二十九年七月の償還期限まで残りわずか二年余りとなりました。料金徴収期間内の全額返済が厳しい状況下で、同有料道路の今後の管理運営に係る対応、判断が注目されるところでもあります。

 そこで、三点目として、青森空港有料道路の無料化の可否について今後どのように検討していくのかお伺いするものであります。

 次に、国際チャーター便の誘致促進についてであります。

 青森空港を発着する国際チャーター便の運航便数が三年連続で増加する見通しと報道されております。少子高齢化による人口減少社会が進む我が国において、地域社会の活性化と経済の発展のためには、訪日旅行客の誘致を強化し、交流人口の増加と外貨獲得を図ることが重要であり、政府は、東京オリンピック・パラリンピックが開催される二〇二〇年までに訪日外国人旅行者を二千万人とする目標を掲げ、二〇一三年に初めて一千万人を超え、二〇一四年には過去最高の一千三百四十一万四千人を記録しました。本県でも、海外からの訪日外国人宿泊者数が、東北で唯一震災前の水準まで回復し、台湾などから国際チャーター便を利用して多くの外国人観光客が訪れ、宿泊や飲食、買い物などによって大きな経済効果を生み出しております。

 そこで、一点目として、今年度における青森空港への国際チャーター便の運航状況についてお伺いいたします。

 二点目として、青森空港の利活用促進と外国人観光客の増加による外貨獲得のためには国際チャーター便の誘致が有効と考えますが、県は今後どのように取り組んでいくのかお伺いいたします。

 次に、ごみ減量、リサイクル率向上に向けた取り組みについてであります。

 ごみの減量とリサイクルの推進については、天然資源の消費が抑制され、環境への負荷ができる限り低減された社会、循環型社会の形成に寄与することはもとより、各自治体が行うごみ処理費用の負担軽減の観点からも大変重要な施策であると考えます。そして、県では、青森県基本計画未来を変える挑戦において、環境分野の政策の一つに県民みんなでチャレンジする低炭素・循環型社会づくりを掲げ、もったいない意識のもと、県民一丸となった3Rの推進に取り組んでいるところでもあります。

 このような中、私の住む青森市では、今、ごみの減量が喫緊の課題となっております。ことし四月から青森市の新しいごみ処理焼却施設が本格稼働しますが、可燃ごみの減量化が思うように進まないため、ごみの総排出見込み量が新ごみ処理施設の処理量を上回り、この上回ったごみの処理を他の自治体にお願いせざるを得ない事態となり、予定外の費用負担が生じることになったというものです。こうした事態になって、青森市では、ごみの減量に本腰を入れて対策を強化すると伺っております。

 ごみの問題は私たちの生活に直接関係するものであり、その処理主体は市町村とされておりますが、青森市以外にもごみの減量、リサイクルが進んでいない市町村が残念ながら見受けられます。また、平成二十四年度の本県のごみの排出量は一人一日当たり全国ワースト二位、リサイクル率も全国ワースト五位と依然として下位にとどまっております。このような現状を踏まえれば、県としても、もっと対策を強化し、県民の意識啓発を図り、市町村に実効ある取り組みを促す必要があるのではないかと考えております。

 一点目として、本県のごみの排出量及びリサイクルの現状についてお伺いいたします。

 二点目として、本県のごみ減量、リサイクル率の向上に向け、県は今後どのように取り組んでいくのかをお伺いいたします。

 次に、新青森県総合運動公園陸上競技場新築工事についてであります。

 昨年十月に予定価格約九十八億円で公告したものの、入札不調となり、その二カ月後の昨年十二月に予定価格を約二十億円引き上げ、約百二十八億円(後刻「百十八億円」に訂正)で再公告したものの、また入札不調となったと伺っております。完成のおくれとともに、当陸上競技場のみならず、今後控える県大型公共工事へのスケジュールや財源確保への影響もないのか、まことに心配をしております。

 そこで、一点目として、当該工事の入札が二度も不調に終わっているところでありますが、その原因と今後の対応についてお伺いいたします。

 二点目として、当該工事に関連した質問となりますが、平成二十四年九月、青森県教育委員会が公表した新青森県総合運動公園陸上競技場設計提案競技説明書を読み返しますと、新陸上競技場は、新青森県総合運動公園の中核施設と位置づけられるとともに、陸上のみならず、サッカーやラグビーなどをする、見る、支える施設として、さらには、将来本県において開催される国体の開・閉会式や各種競技会場として、まさに本県における競技スポーツや地域スポーツの拠点施設として位置づけられております。加えて、技術と英知の結集により新青森県総合運動公園陸上競技場基本計画を具現化しつつ、より多くの県民の豊かなスポーツライフの創出を実現するとも記されております。さらに、陸上競技場整備の基本コンセプトには、競技運営がしやすい、大きな大会で一流選手を間近に、として、国体開・閉会式、各種陸上大会、Jリーグ等に対応できる施設づくりが掲げられ、位置づけとして、プロスポーツの開催が可能な競技場として、プロサッカーJリーグの試合や、将来Jリーグのホームスタジアムとして活用することを可能とするため、Jリーグスタジアム検査要項(J1クラス)に準じた競技場として、また、ラグビーフットボールのトップリーグの開催を可能とするため、ジャパンラグビートップリーグ規約を満たす競技場として整備するとも明記されておりました。

 二〇〇二年日韓ワールドカップ開催地から青森県が漏れること十数年余り、青森市をホームとするラインメール青森というJリーグ入りを目指し頑張るサッカーチームがある中、いよいよ青森県でもJリーグの試合を観戦できる日がやってくるとの県民の喜びもつかの間、Jリーグスタジアム検査要項の変更によって、旧要項に準じた設計の青森県の新陸上競技場は、完成後もJ1、J2のプロサッカーが開催できない見込みとなりました。仮に、Jリーグの新たな要件を満たすために全観客席を屋根で覆うとすれば、おおよそ五十五億から七十億円程度の工事費の追加が試算され、多額の建設費がかかり、また、現在、J1、J2のサッカーチームが県内に存在しないことを理由とし、対応を断念するとの県教委の見解も既に議会で御答弁されております。

 私は、この議場において、この八年間、何度も、何度も、何度も、世界一の豪雪都市である青森市には、陸上競技場を新設するならば、冬期間も使用可能な雪国型全天候対応の競技場とすべきと訴えてまいりましたし、当初の計画にありましたように、Jリーグを初めとするプロスポーツに対応した規格の競技場とすべきと訴えてまいりました。このことは、財政健全化と整備費、維持管理費圧縮に配慮しつつも、完成後四十年間以上供用される施設であり、利用対象は私どもの子供たちの世代、孫たちの世代なだけに、より利用価値のある、より魅力のある施設を次世代に残したいとの思いからであります。このたびの陸上競技場の入札不調を受けて、陸上競技場の建設費は当初計画より、現段階で既に二十億円も増額となり、二度目の入札不調によって、今後さらなる事業費増額の可能性も予測されるという現状を鑑みますと、新たな陸上競技場の利用価値を高め、魅力を最大限に発揮するため、各方面との調整を図りつつ、その後に整備が予定されている陸上補助競技場や投てき練習場などの附帯施設、さらには野球場、水泳場の整備計画や財源の問題と一体でこの機会に思い切って設計を見直して、全天候型やJリーグスタジアム検査要項に適合した屋根に仕様変更の上、整備を進めることも選択肢の一つとして検討してはどうかと考えるところでもございます。

 そこで、お伺いいたしますが、Jリーグスタジアム検査要項を満たす規格として整備することに対する県の見解をお伺いするものであります。

 次に、県発注工事における元請下請関係の適正化であります。

 国土交通省は、平成二十五年三月二十九日付で、土地・建設産業局長通知により、技能労働者への適切な賃金水準の確保に係る要請について、建設業団体の長宛て、各都道府県知事及び各政令指定都市市長宛て、主な民開発注者団体宛てで、それぞれ要請通知をいたしました。

 本要請文によりますと、近年の技能労働者に係る就労環境の変化は大きく、建設投資の大幅な減少に伴っていわゆるダンピング受注が激化し、そのしわ寄せが労働者の賃金低下をもたらして、若年入職者が大きく減少しており、このままでは熟練工から若手への技能承継がされないままに技能労働者が減少し、将来の建設産業の存続が危惧される現状にあります。課題として、技能労働者の育成には一定の期間を要するものであり、ここで適切な対策を講じなければ、近い将来、災害対応やインフラの維持更新にも支障を及ぼすおそれがあるほか、若年者が建設業へ入職を避ける一番の理由は、全産業の平均を約二六%も下回る給与の水準の低さであり、また、最低限の福利厚生であり、法令により加入義務のある社会保険等に未加入の企業も多いことも大きな原因の一つとされております。

 一方、現内閣では、その基本方針において雇用や所得の拡大を目指すことを掲げるともに、内閣総理大臣自身が経済界との意見交換会において、働く人の所得の増大を目指し、政府、経済界、労働界が大局的観点から一致協力して取り組むことによりデフレ経済からの脱却を図るとの方針を示しております。こうした諸事情を踏まえれば、技能労働者に係る適切な賃金水準の確保は、建設産業全体の喫緊の課題であるとの考えを示しております。

 国土交通省から各団体宛ての具体的要請内容については、建設業団体については、技能労働者への適切な水準の賃金の支払いに対する特段の配慮、法定福利費の適切な支払いと社会保険等への加入徹底、若年入職者の積極的な確保、ダンピング受注の排除、設計変更に伴う下請企業への適切な支払い、労務費の急激な変動への対応、資材不足等への適切な対応、以上、七項目。各都道府県知事、各政令指定都市市長に対しては、公共工事設計労務単価の早期適応、ダンピング受注の排除、法定福利費の適切な支払いと社会保険等への加入徹底に関する指導、労務費の急激な変動への対応、以上四項目を要請するとともに、知事に対しては、県内市町村に対する周知徹底を求めております。また、民間発注者団体に対しては、公共工事設計労務単価の背景事情を踏まえた適正価格による工事発注、法定福利費の適切な支払いと社会保険等への加入の徹底の二項目を要請しております。

 以上を踏まえ、自民党会派政務調査会では、先般、県内の板金業、建築業、電気工事業、鉄筋業、トビ土工、防水工事業、生コン圧送、塗装工、左官業、畳商工といった県内主要建設専門工事団体の代表で構成する青森県建設専門工事業団体連合会と、労務単価の見直し、福利厚生、資材の高騰、後継者の育成等についての意見交換を行いました。同団体からは、現在の県内建設専門工事業、つまりは下請業者全般を取り巻く環境は依然として厳しく、公共工事物件では福利厚生費を含んだ工事金額で発注されていると言われるが、下請には反映されてない。国による社会保険未加入対策を実行するにも、今の元請から下請への発注金額では、今後、事業所経営が破綻に追い込まれるくらい厳しい状況にある。行政には、川上から流した水が予定どおり川下へ流れたことを確認していただきたい。また、建設業界は高齢化が進み、若年後継者、若年労働者が不足しているが、これは、建設業界に魅力がなくなったからだと思うし、現状の実務労働に見合う賃金が確保されず、福利厚生も充実していない結果と考えられ、将来の人材確保、育成のためにも、適正な受注単価で受注したい。さらには、人材不足、資材の高騰により入札不調も見受けられることから、いま一度適正な労務単価を含めた発注単価の見直しが必要といった極めて切実な意見が多数出されました。

 さきに申し述べました国からの要請内容を踏まえながら、県内専門工事業団体の意見をお聞きいたしますと、技能労働者に対する適切な賃金の支払いに関する国からの要請と県内専門工事業団体の意見内容から見る実態にはいまだ乖離があるものと捉えられ、県としても実態の把握と改善に最大限の努力を傾注する必要があるものと考えるところであります。

 そこで、一点目として、近年の公共工事設計労務単価の引き上げ理由と技能労働者への適切な賃金水準の確保についてお伺いいたします。

 二点目として、下請契約及び下請代金支払いの適正化に関する取り組みについてお伺いいたします。

 次に、陸奥湾の漁業振興についてであります。

 陸奥湾の主要水産物であるホタテガイが平成二十二年夏の異常高水温で大量へい死してから、はや四年が過ぎました。あのときは、私も、その惨状を憂い、今後のホタテガイ養殖を案じながら、陸奥湾の漁業の灯を消してはならないという強い思いで、その後の議会において県の対応について質問してきました。この異常高水温の後も、冬季のへい死など毎年のように厳しい状況が発生していますが、関係漁業者や県の尽力により、平成二十二年夏ほどの被害にはなっていないものと認識をしております。ホタテガイ養殖を初めとする陸奥湾の漁業が地域経済に与える影響は大きく、官民一体となって多くの先進により築き上げられたこの陸奥湾漁業の発展を不断の努力で推し進めることはとても大事であります。

 そこで、陸奥湾の漁業振興に向け、県はどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。

 最後に、投票率の向上に向けた取り組みについてお伺いいたします。

 昨年十二月十四日投開票が行われました衆院選で、青森県の投票率は戦後最低の四六・八三%を記録、一昨年七月の参院選投票率四六・二五%に続き、二回連続で全国最下位という不名誉な結果となりました。これに伴い、現状や要因の分析、問題点の指摘、先進地の事例、打開策の提案などが大々的に報じられ、この問題に対する危機意識は県内においても急速に増してきているようにも感じられます。県選管においても、投票率全国最下位という結果を受けて、その脱却を図るべく、四月の統一地方選、六月の知事選を前にして、市町村選管とも連携し、これまでにない危機感を持って投票率向上に向けた具体的取り組みに着手しているものと推察いたします。

 そこで、お伺いいたします。

 一点目として、投票率の向上に向け、将来の有権者である子供たちの意識の醸成など、継続的な取り組みが必要と考えますが、県選挙管理委員会の取り組みについてお伺いいたします。

 二点目として、これは既に県選管から県内市町村選管に対し要請があり、また具体的な取り組みも始まりつつありますけれども、有権者が投票しやすい環境づくりの一環として、大型商業施設等に期日前投票所を設置することも有効と考えますが、県選挙管理委員会の考え方についてお伺いいたします。

 投票率の問題に関連し私の考えを申し上げますが、確かに低投票率の要因はさまざま挙げられております。しかし、この問題に対してまず深く反省すべきは、我々政治家であるものと考えます。十人のうち半分も投票に行かない選挙は何を意味するのか。候補者として、もしくは候補者を支援する立場として、選挙に携わる当事者は、誰でもない、我々政治家自身であります。有権者側だけに投票率全国最下位の責任を押しつけることがあってはなりません。政党を問わず、立場を問わず、青森県の低投票率の最大の原因は、私も含めて、我々青森県の政治家にあると、青森県ではそういった政治を行っているという認識に立って、深い反省のもと、これからの政治活動、議会活動に臨まければこの問題の根本の解決には結びつかない。

 そのことを申し上げまして、壇上からの質問を閉じます。

 

◯副議長(越前陽悦) 知事。

 

◯知事(三村申吾) 高橋議員にお答えいたします。

 私からは、外貨獲得のため国際チャーター便の誘致についてでございます。

 県では、国際チャーター便の誘致が、海外との交流人口の拡大、海外からの観光客の誘致など、本県経済の活性化に寄与するものでありますことから、経済発展の著しい台湾を初めとする東アジア地域をターゲットとして重点的に取り組んでいるところでございます。

 国際チャーター便の誘致に向けまして、県として、これまで、関係機関と連携しながら、本県の豊富な観光資源や安全・安心に関する情報発信、航空会社への優遇措置として実施してきた着陸料の減免期間の二年間延長、県内宿泊を含む商品造成への支援などを行ってきたところであります。

 また、機会あるごとに、台湾の航空会社、旅行会社等を訪問してトップセールスを行っております。昨年十二月にも青森リンゴのPRなどを行うため台湾を訪問した際、現地の航空会社等を訪問し、今後のチャーター便の運航要請も行ってきたところでございます。

 県としては、引き続き関係機関と連携し、本県の魅力のPRやネットワークの強化を戦略的に行い、国際チャーター便の誘致促進に取り組みたいと考えるところであります。

 陸奥湾の漁業振興に向けての取り組みでございます。

 陸奥湾は、御存じのとおり、津軽、夏泊、下北の三つの半島に囲まれ、これらの山々からミネラル豊富な水が注ぎ込む恵まれた環境の中で、上品な甘みが特徴のホタテガイの養殖や適度な歯応えがあるナマコの漁獲を中心に、本県の主要な漁場となっております。

 私は、ホタテガイの大量へい死をもたらした平成二十二年のように異常高水温に再び見舞われたとしても、陸奥湾の漁業が大きな影響を受けることがないよう、漁業団体と連携しながら、その教訓を生かした技術指導を徹底し、生産の安定を図っていくことが重要であると考えているところであります。このため、陸奥湾の漁場環境の維持、保全に向け、水質などの環境調査を毎月行っておりますほか、四年ごとに大規模な水質あるいは生物モニタリング調査を行い、漁場環境の把握ということに努めております。

 また、ホタテガイ養殖では、県産業技術センター水産総合研究所と連携をし、陸奥湾海況自動観測システムによる夏季の高水温、夏場の高水温に対応した養殖技術の指導と水温などの情報提供のほか、冬季のへい死の軽減技術や付着生物の防止対策にも取り組んでおるところであります。

 さらに、高い価格水準を維持し、近年主要魚種として成長したナマコがございますが、これにつきましては、人工種苗の放流や資源管理、増殖場造成等により資源の維持増大ということをあわせて図っていくこととしておりまして、こうした取り組みを通じて陸奥湾漁業の一層の振興に努めていきたいと考えております。

 私からは以上です。

 

◯副議長(越前陽悦) 佐々木副知事。

 

◯副知事(佐々木郁夫) ごみの減量、リサイクル率の向上に向けた県の取り組みについてお答えいたします。

 全国下位レベルに低迷しております本県のごみの減量化とリサイクル率の改善を図るためには、県民、事業者、市町村など多様な主体が連携し、県民総参加の全県的運動として取り組む必要があります。このため、もったいない・あおもり県民運動を展開しながら、各主体に取り組み拡大を促しているところでございますが、平成二十七年度においては、現状からの早期脱却を目指し、対策をさらに強化することにしております。

 具体的には、広く機運醸成と意識啓発を図るため、短期集中型のテレビCMや市町村との連携による各種広報などのキャンペーンを展開することとしております。また、資源化量が最も多い紙類のリサイクルをさらに推進するため、古新聞、雑誌、段ボール以外の紙類、例えば、菓子類やティシュペーパーなどの空箱、封筒やダイレクトメールなど、いわゆる雑紙と呼ばれている紙類の資源回収強化に取り組むこととしております。さらに、一般廃棄物の処理主体である市町村の実情を踏まえつつ、ごみの減量とリサイクル率向上につながる効果的な取り組みを検討する作戦会議を開催し、市町村を支援することとしております。

 今後とも、県民、事業者、市町村などの各主体による取り組みの拡大を促進し、ごみの減量化とリサイクル率の向上に努めてまいります。

 

◯副議長(越前陽悦) 企画政策部長。

 

◯企画政策部長(小山内豊彦) 今年度における青森空港への国際チャーター便の運航状況についてお答えいたします。

 今年度の青森空港への国際チャーター便の運航実績は、二月末までで五十二便、三月にも四便の運航が計画され、合わせて五十六便が運航される予定であり、利用者数は一月末時点で五千四百五十八人となっています。

 三月に運航予定の分を含めた運航先別の内訳を見ると、台湾三十五便、中国八便、タイ六便などとなっています。

 

◯副議長(越前陽悦) 環境生活部長。

 

◯環境生活部長(林 哲夫) 本県のごみ排出量及びリサイクルの現状についてお答えいたします。

 環境省が毎年度公表しております一般廃棄物処理事業実態調査の結果によりますと、直近のデータであります平成二十四年度の実績では、本県の県民一人一日当たりのごみ排出量は千六十九グラムで、全国平均が九百六十三グラムでございますので、比較いたしまして百六グラム多く、リサイクル率は一四・二パーセントで、全国平均の二〇・四パーセントと比較いたしまして六・二ポイント低い、こういうような状況になってございます。これを市町村別で見ますと、特に人口規模の大きい青森市と弘前市が、一人一日当たりのごみ排出量、リサイクル率ともに県平均を大きく上回っておりまして、県人口の約三五%を占める両市の数値が県平均に大きく影響しているところでございます。

 次に、県民一人一日当たりのごみの排出量を、家庭からの生活系と事業所からの事業系に分類して全国平均と比較してみますと、生活系が四十五グラム、事業系が六十一グラム、それぞれ全国平均を上回っている状況にございまして、生活系、事業系ともに一層の減量化が必要となっているものと考えてございます。

 また、リサイクルの状況でございますが、県民一人一日当たりの資源化量を種類別で見ますと、紙類が最も多く、次いで金属類、ガラス類、ペットボトル、プラスチック類の順となってございます。このうち、金属類、ガラス類は全国平均を上回り、ペットボトルは全国平均と同レベルにございますものの、最も多い紙類が全国平均の約七割にとどまっているという状況にございます。また、プラスチック類は、その他プラスチックの分別収集を十九市町村が実施していないということから、全国平均の約二割となっている状況になってございます。

 

◯副議長(越前陽悦) 県土整備部長。

 

◯県土整備部長(奈良信秀) 御質問六点についてお答えします。

 まず、青森県道路公社の長期債務の解消状況及び平成二十六年度までを計画期間とする中期経営プランの進捗状況についてでございます。

 道路公社の債務残高は、ピーク時である平成六年度末においては約三百十九億円でしたが、県からの無利子貸付等の支援や収支改善に向けた積極的な取り組みの結果、平成二十一年度末においては約百四十六億円まで減少しました。そして、平成二十二年度から二十六年度までの五年間の中期経営プランでは、青森県有料道路経営改革推進会議の提言を受け、さらなる債務の削減を目標に、経費削減や収益確保に努めることとしたところでございます。この結果、平成二十二年度から二十五年度までの四年間の債務の削減状況については、計画額約三十億七千万円を約五億円上回る約三十五億七千万円となっており、平成二十五年度末における債務残高は約百十億二千万円となっております。

 県としては、今後とも、道路公社に対し指導、助言を行い、債務の削減に努めてまいります。

 次に、道路公社の路線ごとの債務の償還見込みについてです。

 みちのく有料道路については、平成二十五年度末における債務残高は約六十一億円で、平成二十四年度末と比較して六億四千万円減少しており、平成四十一年十一月の料金徴収期限までに債務を完済すると見込まれます。

 青森空港有料道路については、平成二十五年度末における債務残高は約十九億円で、平成二十四年度末と比較して約一億八千万円減少しておりますが、現在の償還ペースでは、平成二十九年七月の料金徴収期限までに債務を解消することは困難であると考えられます。

 第二みちのく有料道路については、平成二十五年度末における債務残高は約三十億円で、平成二十四年度末と比較して約一億円減少しておりますが、現在の償還ペースでは、平成三十四年三月の料金徴収期限までに債務を解消することは困難であると考えられます。

 次に、青森空港有料道路の無料化の可否について今後どのように検討していくのかについてです。

 有料道路は受益者負担が原則であることから、県としては、債務は可能な限り圧縮すべきと考えております。一方、近年の青森空港の利用者数は、平成二十三年七月のフジドリームエアラインズによる名古屋便の就航、昨年七月の全日空による札幌便及び大阪便の就航等を契機に増加傾向となっており、このことは青森空港有料道路の利用動向にも影響があると考えられます。

 県としては、今後、同有料道路の利用動向をしっかりと見きわめるとともに、仮に無料化した場合の債務処理の方策や道路事業予算への影響、通行車両の増加による維持管理費用の増加、経済波及効果等を総合的に勘案した上で無料化の可否について判断してまいります。

 次に、新青森県総合運動公園陸上競技場新築工事についてでございまして、当該工事の入札が二度も不調に終わっていることの原因と今後の対応についてでございます。

 当該工事については、昨年八月十八日に一回目の入札公告をしたものの、参加希望者がなく入札が不調に終わったことを受け、設計図書の縦覧を希望した業者からのヒアリング及び国土交通省東北地方整備局のアドバイスを参考に、共同企業体構成員数の見直し等の参加条件の緩和や実勢価格の採用等による予定価格の見直しを行った上で昨年十二月十日に再公告をしたところです。しかしながら、共同企業体一者が応募したものの、開札日前に入札辞退届が提出され、再度入札不調となったところです。

 県としては、入札が二度も不調になったことから、その原因については詳細に検証する必要があると考えており、現在、再公告において入札を辞退した共同企業体の代表者及びプロポーザル方式で選定された設計者から、積算の内容や施工方法等についてヒアリングを行い、県の考え方と比較しながら詳細に分析をしており、その結果を踏まえ、再々公告に臨むこととしております。

 次に、県発注工事における元請下請関係の適正化についての近年の公共工事設計労務単価の引き上げ理由と技能労働者への適切な賃金水準の確保についてです。

 公共工事設計労務単価は、国、自治体等が公共工事の予定価格を積算する際に用いる標準的単価であり、国土交通省及び農林水産省が都道府県等の協力を得て行っている公共事業労務費調査の結果に基づき決定しております。本県における近年の労務単価上昇率は、全職種単純平均、対前年度比で、平成二十五年度約一八・三%、平成二十六年度約七・六%、平成二十七年度約五・三%となっております。その理由としては、労働市場の実勢価格及び社会保険へ加入するために必要な法定福利費相当額を反映したものと伺っております。

 次に、平成二十六年六月に公共工事品質確保法が改正され、適正な額の請負代金での下請契約の締結や技能労働者等の賃金の改善に努めることなどが受注者の責務として位置づけられました。また、国土交通省では、建設業界に対しては、技能労働者への適切な水準の賃金の支払いや社会保険等への加入の徹底等を、県に対しては、新労務単価の早期適用や受注者への指導を要請しています。

 県としては、引き続き、国からの要請も踏まえ、新労務単価の早期適用などにより適切な賃金水準の確保を図ってまいります。

 最後に、下請契約及び下請代金支払いの適正化に関する取り組みについてです。

 下請契約における法定福利費の適正な確保については、国土交通省の定める社会保険の加入に関する下請指導ガイドラインがことし四月に改訂され、見積もり依頼の際に、下請負人がみずから負担すべき法定福利費を見積書に内訳明示することを見積もり条件として提示するとともに、当該法定福利費を下請代金に適切に反映することが元請負人の責任として定められることとなっております。

 これを踏まえ、県発注工事においては、ことし四月から、下請契約を締結した際に提出する施工体制台帳の添付書類として一次下請契約に係る見積書の写しの提出を義務づけることとし、法定福利費が下請契約において必要経費として計上されているかを確認するとともに、不適切な取り扱いについては是正を求めることとしています。

 以上のほか、従来から、国土交通省では、毎年八月と十二月に建設業者団体の長に対して下請契約及び下請代金支払いの適正化の徹底等に関する通知を発出しています。また、県においても、毎年十一月に法令遵守講習会を開催しているほか、平成十八年度からは、建設業法に基づく事業所への立入検査を実施し、下請契約の内容及び下請代金の支払い状況を確認するなど、取り組みの周知徹底を図っているところです。

 県としては、引き続き、下請契約及び下請代金支払いの適正化に取り組んでまいります。

 以上です。

 

◯副議長(越前陽悦) 教育長。

 

◯教育長(中村 充) 新青森県総合運動公園陸上競技場新築工事のうち、Jリーグスタジアム検査要項を満たす規格で整備すべきと考えるが県の見解についてお答えします。

 整備予定の陸上競技場の規格については、将来の国体開催を考慮し、収容人数を二万人とするとともに、日本陸上競技連盟の第一種公認陸上競技場としての基本仕様であるメーンスタンド七千席程度を屋根で覆うこととしていたものです。この屋根の仕様は、二〇一二年度までのJリーグスタジアム検査要項の基準である、スタジアムの屋根は観客席の三分の一以上が覆われていることをも満たしておりました。しかし、設計業務の途中の二〇一三年度に、当該基準が、原則として屋根はすべての観客席を覆うことに変更されたため、設計業者に全ての観客席を屋根で覆う場合の試算を依頼したところ、当時の試算でおおよそ五十五億から七十億円程度の工事費の追加が見込まれたところです。また、Jリーグの公式戦はホーム・アンド・アウェー方式で行われており、原則としてホームタウン以外では開催されないこと、本県のサッカークラブチームの状況は、整備予定の陸上競技場をホームスタジアムとするJ1またはJ2のチームが現在のところないこと、今後も基準の引き上げが考えられることなどを総合的に勘案し、屋根の仕様については、当初の計画どおり、メーンスタンドのみの整備としたものです。

 

◯副議長(越前陽悦) 選挙管理委員長。

 

◯選挙管理委員長(柿崎光顯) 投票率の向上に向けた取り組みについてお答えします。

 最初に、将来の有権者である子供たちの意識の醸成についてですが、県選挙管理委員会といたしましては、将来の有権者である子供たちに対し、早い段階から選挙の仕組みや意義、重要性などを理解する機会を設け、必要な知識や判断力を身につけながら社会の一員としての自覚を促す等意識醸成を図ることが将来の投票参加に結びつくものと考えています。

 このような認識のもと、県選挙管理委員会では、学校教育と連携した啓発活動として、平成二十四年度から、小・中・高等学校の児童生徒を対象に、選挙に関する講座や投票箱、記載台を使用した模擬投票等を取り入れた選挙出前講座を実施してきたところであります。

 昨今の本県投票率の低迷状況や選挙権年齢の引き下げに関する国の動向等を踏まえれば、このような取り組みの重要性はますます高まってくると考えており、来年度から、市町村選挙管理委員会の協力を得て、小・中学校向け講座は市町村選挙管理委員会が、高等学校向け講座は県選挙管理委員会で実施するなど、選挙出前講座の普及拡大に取り組み、子供たちの意識醸成を図っていきたいと考えております。

 次に、大型商業施設等への期日前投票所の設置についてですが、期日前投票制度は、有権者の投票環境の向上を目的として導入されたもので、昨年十二月に執行された第四十七回衆議院議員総選挙における本県の期日前投票者数は十二万五千七百三人となっています。これは、制度導入後の平成十七年に執行された第四十四回衆議院議員総選挙と比べ四万二千五百十九人、約五一・一%の増加となっており、期日前投票制度の着実な普及、定着が認められます。また、県内で唯一の大型商業施設での期日前投票所となっている八戸ショッピングセンターラピアでは、市内三カ所にある期日前投票所のうち最多の投票者数を記録していることから、利便性の高い施設への期日前投票所の設置は極めて有効であり、投票率の向上に資するものと考えています。

 このため、県選挙管理委員会では、本年一月から順次大型商業施設が所在する市町村選挙管理委員会と施設を調査訪問するとともに、去る二月末に開催した市町村選挙管理委員会委員長等打ち合せ会議で、大型商業施設など利便性の高い施設への期日前投票所の設置への理解と前向きな検討、積極的な対応をお願いしたところです。

 県選挙管理委員会としては、投票環境の向上に向け、市町村選挙管理委員会での実務的課題の検討に資するよう、積極的に全国における設置事例の情報提供や助言を行っていきたいと考えています。

 以上です。

 

◯副議長(越前陽悦) 高橋議員。

 

◯十六番(高橋修一) 御答弁ありがとうございました。

 まず、青森県道路公社の経営状況についてでありますけれども、青森空港の有料道路、この無料化の可否についていよいよ本格的に検討が始まっていく、そういった段階にあろうかと思います。それで、有料道路の建設費は利用料金で償還すべきである、受益者負担である、それが大前提であるということは十分理解いたします。その一方で、青森中央大橋の無料開放のような、実質的には県の新たな追加負担を回避して、そういった形で開放するといった方策も選択肢とすれば十分に考えられるわけでございますので、その点は今後の検討に当たっては十分考慮いただきたい、そのことは申し上げておきたいと思います。

 続きまして、新青森県総合運動公園陸上競技場の新築工事であります。

 壇上で、私は、本来、二度目の公告額百十八億円でありましたが、百二十八億円と間違って発言をしたようであります。訂正をいたします。

 それで、一連の経緯をお伺いすれば、やはり今の景気回復、あるいは東京オリンピックといった首都圏を中心とする建設需要の高まりが影響している、これは無視できないのかなとも考えております。それで、今、メーンの陸上競技場の入札をこれから行うということでありますけれども、この後はサブトラック、それから付帯する道路等の設備、その後はいよいよ野球場であり、水泳場であり、それから八戸の市営スケート場、こういった大型のスポーツ施設の整備が計画されております。そういった中で、今後のスケジュール、それから財源の問題に今後ますます今の状況が影響を及ぼしてくるのではないかと、その部分は心配でなりません。したがいまして、二度の不調を受けて、その原因を今分析すると、そして、その結果を踏まえて再々公告を行うということでありますけれども、大型公共工事が今後この後も次々控えているといった視点に立って原因を分析しなければ、また同様の事態が発生する可能性、これは決して否定できないのかなとも考えております。その点は十二分に御留意いただく、申し上げたいと思います。

 それから、屋根の問題でありますが、既に今年度の予算が執行されまして、そして来年度の予算も上程されているといった中で、私自身極めて限りなく困難な提案であるという認識のもと質問させていただきました。答弁も想定どおりでありました。陸上競技場の完成後も、このことによって、J1、J2のプロサッカーは、この青森県では向こう四十年間、青森の子供たちは見ることができないと。それからサッカーだけではなくて、国体の開催時も、陸上競技も、ラグビーのときも、あの競技場、スタジアムに来る子供たちは、夏の炎天下で日差しを浴びて、そして雨あるいは風、雪、そういったものを耐え忍んで向こう四十年間使い続けると、そういったことがよくわかりました。次の世代にどうも禍根を残すのではないかという気がしてなりません。そのことは申し上げておきたいと思います。

 それから、県発注工事における元請下請関係の適正化でありますが、壇上でも申し上げましたけれども、国からの要請にあるとおり、近年の技能労働者の就労環境の変化は大きいと、そして適切な賃金水準の確保は建設産業全体の喫緊の課題である。このことは私からも強く申し上げておきたいと思います。

 それで、先般、県内の専門工事業の方々からは、壇上で申し上げたほかにもさまざまな御意見が出されました。公共工事の労務単価の見直し、これが末端の我々、なかなか深く反映されていないと、そういうふうに感じると。それから、施工の体制であったり元請の発注が適正かどうかチェックしてほしい。あるいは、県は民と民の契約だから何もできない考えであると、そういうふうによく言われる。しかし、どこも介入しないと今の現状は打開できないと。それから、福利厚生に関しても、元請が法定福利費を出すように、これについては徹底した指導をお願いしてほしいと。それから、資材高騰についても、鉄もステンレスも資材はみんな上がっていると。これは余談でありますが、県の陸上競技場などについても、労務単価も資材も上がっているので、現状では全く割に合わないのではないかといった声も頂きました。

 それから、後継者の育成については、専門職の年収、大体平均すれば三百五十万程度だそうであります。二十歳前後の年収、これが大体二百二十万から二百三十万程度ではないかと。若い人は一日の労務が七千円しか受けることができないと。これではなかなか若い人は入ってこないといった声も頂戴しております。したがいまして、これらの意見を聞く限りにおいては、やはり国の要請とその実態には大きな乖離があると言わざるを得ません。したがいまして、県としても、こういった意見を率直に受けとめて、こういった実態が内在化しているという認識に立っていただきたいと考えます。そのためには、まず県として実態をよく把握していただきたい。そして、その改善に向けて最大限努力することが求められます。そのことを強く要望いたします。

 それから、投票率の向上についてでありますけれども、一点目の子供の部分でありますが、やはり今、選挙権の年齢を十八歳まで引き下げるといった法案も今国会で成立される見込みと。早ければ来年の夏にも参院選からということであります。したがいまして、このことも見据えて、県選管、市町村選管の役割はもちろんなんですけれども、私は、教育現場、教育委員会の役割、それが今後ますます投票率を上げるために重要になってくるのではないかなと考えております。したがいまして、将来の投票率向上に向けた県教委と、そして県選管はもちろんでありますが、取り組みの活発化、充実化、これをお願いしておきます。

 最後でありますが、本日の報道によれば、弘前市では弘前大学に加えてヒロロでも期日前投票所を設けると報じられております。この春の統一地方選から、弘前市だけではなくて、青森市も含めて、全県的な広がりを期待するところであります。低投票率からの脱却、このために我々政治家も頑張りますので、どうか、県選管、委員長の手腕がまさに今問われていると、期待されていると、このように考えております。委員長の強いリーダーシップのもと、この春の、あるいは知事選の投票率が向上するように大いに頑張ってください。

 終わります。